健康への不安を解消したい方

健康への不安を解消したい方2018.3.19死亡率は交通事故の数倍!? ヒートショックを家電・リフォームで防ぐ

 

ヒートショックという言葉、皆さんは聞いたことがありますか?「聞いたことはあるけど、詳しくはよくわからない」そんな人が多いんじゃないかと思います。

 

ヒートショックとは簡単にいうと、温度の急変で体がダメージを受けること。

 

「冬にお風呂に入ろうと、暖房のきいた暖かい部屋から寒い浴室に行って倒れた」なんて聞いたことがありませんか?そう、それです。

 

タイトルにも書いていますが、ヒートショックで亡くなる方の人数は交通事故の数倍。

 

消費者庁が公開した平成28年1月のデータでは、入浴中に家庭の浴槽での溺死者数は、平成26年で4,866人。
入浴は、身体を清潔に保つだけでなくリラックス効果も期待できる我が国の重要な生活習慣 の一つです。一方入浴する際の身体状況や入浴の環境によっては、意識障害を起こし溺水す る等重大な事故につながる危険性があります。人口動態統計を分析したところ、家庭の浴槽で の溺死者数は10年間で約7割増加し、平成26年に4,866人となっています。そのうち高齢者 (65 歳以上)が約9割を占めており、高齢者はとくに注意が必要です。

 

参照元:消費者庁 高齢者の入浴中の事故(PDF) より

 

同年、一般社団 法人全国交通安全協会が発表した交通事故死者数は全体で4,113人。

 

入浴中の浴槽だけでも交通事故死者数を上回っているので、トイレや廊下などヒートショックが起こりうるすべての環境を含めた、ヒートショック関連死亡者数を合わせると倍以上になるかもしれませんね。

 

※一説には4倍以上という報告もあります。(朝日新聞デジタル:ヒートショック死、交通事故死より多い 寒暖差に注意より)

 

でこうした話を聞くと毎回すごく不思議に思うんですよね。

 

交通事故は減らすために世間ではさまざまな啓蒙活動が行われています。ニュースでもよく取り上げられていますし、交通事故の怖さを知らない人はこの日本ではほぼいないと言っても過言ではありませんよね。

 

ではヒートショックはどうでしょう?みなさんヒートショックの怖さについての知識はお持ちですか?交通事故の4倍の死亡者数ですよ?

 

なぜもっとその怖さを啓蒙しないのでしょう?ヒートショック対策をするか、しないかで「冬場の生存率」が大きく変わってくると言ってもよい程なのに、。

 

家電屋の立場で考えると、このヒートショックを防ぐには

 

①家電で手軽に対策する
②リフォームで対策する

 

主にこの2つがあります。今回は上記2点について少し説明したいと思います。

 

あ、カデンのエトウは電気屋なのに、リフォームのことなんてわかるの?と思った方。実は私たち、リフォームもやっているんですよ(笑)。

 

具体的な対策をお伝えする前に、まずはヒートショックについてご説明しておきますね。

 

 

ヒートショックとは

 

ヒートショックとは温度の急変で体がダメージを受けることです。

 

たとえば真冬に暖かい布団を出てトイレに向かうとしましょう。布団の中とトイレは実に20℃以上(状況により前後しますが)の温度差があると言われています。

 

この急激な温度差により、血管が収縮・拡張し、血圧が大きく上下します。すると血管に大きな負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中、脳梗塞を引き起こすことがあるんです。

 

何度も言いますが、ヒートショック関連での冬場の死亡率は交通事故の数倍以上。ご年配の方や、若くても血圧が高い方などはとくに注意が必要です。

 

 

ヒートショックが起こりやすい場所

 

ヒートショックが起こりやすい場所は、脱衣所浴室トイレ廊下など。要は冬に暖房の効いた暖かい部屋から出て「寒い」と感じる場所です。死亡事故はそこで起こっています。

 

こうした場所でのヒートショック対策として、何をすればよいのかはものすごく明白で、どうすればよいかというと「家の中の寒暖差をなくす。もしくは減らせばよい」わけです。

 

では具体的な対策を見ていきましょう。

 

 

ヒートショック対策①「家電を活用して家の温度差をなくす」

 

ヒートショック_リフォーム_家電②

 

ヒートショックはいつ、誰に起こってもおかしくないとても身近な問題です。とくにお年寄りがいるご家庭は早急な対策を取りたいもの。

 

そんな時に便利なのが、家電を活用する方法。要は廊下トイレお風呂等ヒートショックが起こりやすい場所に暖める(温度を上げる)ための家電を置くんですね。ぽんっと置くだけ。工事なんかも必要ありませんから、まさに今すぐできる対策です。

 

寒いと思われる場所にヒーターを設置する。【主だったヒーターの種類】

 

・セラミックファンヒーター

 

電気で動くヒーターです。範囲は狭いですが、温風が出るのですぐに温めることができます。脱衣所や洗面所など狭い場所に有効です。

 

ちなみにファンヒーターには、他にガスファンヒーター、石油ファンヒーターがあります。ガスと石油の方が威力は強いのですが、石油は換気が悪い狭い場所で使うのは危険ですし、ガスはガス用のコンセントがなければ使えません。

 

ヒートショック対策にはセラミックファンヒーターが使いやすいかと思います。

 

・ハロゲンヒーター

 

ハロゲンランプで暖める暖房機です。暖房能力はかなり低いのですが、一部分であれば迅速に温めてくれます。ただし電気代は高めです。

 

・カーボンヒーター

 

ハロゲンヒーターの上位機種的存在。ハロゲンヒーターと同じく、狭い場所を部分的に暖めるのに向いています。威力は弱いものの遠赤外線で温めるので体の芯まで暖まります。電気代が安めなのも嬉しいポイント。

 

・シーズヒーター(メーカーによって違う呼び名の場合も)

 

カーボンヒーターと同じく遠赤外線で、狭い範囲を温めます。ただし威力はカーボンヒーターよりかなり強力。暖めるのに少し時間がかかるので、使用する際は事前にスイッチを入れておきましょう。

 

・オイルヒーター

 

温めるのに少し時間がかかります。脱衣所などで使う際は事前にスイッチを入れておきましょう。静かでホコリもたたず使いやすいのですが、電気代は高めです。

 

・パネルヒーター

 

まさにパネルのような薄さで、場所をとりません。範囲は狭いのですが、早く暖まります。ただし本体の価格が少し高めです。

 

上記ヒーターはその種類の中でさらに細分化しており、防水機能や室内乾燥の機能を備えた脱衣所専用ものや、トイレにつける照明と一体になったもの、人を感知して稼働する「人感センサー」を搭載しているもの等、種類豊富にあります。

 

まずは電気屋さんをぐるりと一周。置く場所や用途に一番適しているものを探してみるとよいと思います。私も「おおっ、こんな便利な機能が!」と驚くヒーターにたまに出合えます(笑)

もちろんカデンのエトウにも多数取り揃えておりますので、気軽に見にきてください。

 

浴室に【浴室暖房機】を設置する。

 

脱衣所にヒーターを置いたから、と安心してはいけません。冷たいタイルの洗い場から、熱いお湯の中へ入るのも危険。

 

【浴室暖房機】とは文字通り浴室につける暖房機のことで、安いものは5万円前後からあります。工事が必要なので少し時間はかかりますが、寒さが厳しい古いタイプの浴室にはかなり有効です。

 

【浴室暖房機】には天井に取りつけるタイプと、壁につけるタイプがあり、後付けできるのは基本的に壁につけるタイプです。

 

また温めるだけでなく、室内乾燥、換気等、さまざまな機能が付いているものがありますので、購入の際はお店のスタッフとよく相談してから選ぶようにしましょう。

 

その他、すぐにできることといえば…。家電とは関係ないでのすが、

 

・暖かい部屋からトイレやお風呂に行くときは厚着をする。
・お風呂のお湯を熱くしすぎない。
・寒い日はトイレで気張りすぎない。(寒くて血管が収縮している=「血圧が上がっている」ときに気張ると、血管が切れてしまう恐れがあるので)

 

こんな感じでしょうか。

 

次は、リフォームして家の寒暖差を根本的に解決してしまう方法をご紹介します。

 

 

ヒートショック対策②「リフォームで家の温度差をなくす」

 

ヒートショック_リフォーム_家電③

 

リフォームというと、大掛かりで大変なイメージがありますが、簡単で時間のかからないお手軽リフォームもあるんです。

 

今回はヒートショック対策に欠かせない「」、さらにヒートショックにおちいる可能性が高い場所である「お風呂」「トイレ」のリフォームについてご説明します。

 

窓をリフォームする

 

窓は熱の出入りがもっとも多い場所。冬は実に50%前後もの熱が窓から放出されます。だから部屋の温度を保つために窓のリフォームはとても有効。これは、部屋だけでなく、トイレ、お風呂他すべての場所に共通していえることです。

 

もちろん夏は熱をシャットダウンしてくれます。窓リフォームは比較的手軽に「断熱」「省エネ(断熱効果が高いと冷暖房を控えることができるので)」、さらに「結露予防」まで叶えてくれるとても賢い方法です。

 

窓をリフォームする方法は、以下3つです。

 

1. ガラスだけを変える

 

既存の窓枠からガラスを外し、断熱性の高いものに変えます。とても手軽にできますが、本来窓の断熱性を上げるには窓枠とサッシも重要。大きな効果は期待できません。

 

2. 内窓をつける

 

今ある窓の内側にもう一つ窓をつけて二重にします。簡単で効果が高い上、防音、防犯効果も期待できます。工事も手軽なので、とても人気の高い方法です。

 

3. 窓そのものを交換する

 

窓ガラス、窓枠、サッシを含め、すべてを取り替えます。窓枠とサッシを熱伝導率の低い樹脂製(他にもさまざまなグレードがあります)にするなど、いろいろな組み合わせで対応が可能なので、他の方法に比べて格段に断熱性を高めることができるのです。

 

また窓全体を丸ごと取り替える方法の他、現状の窓枠の上に新しい窓枠をかぶせる【カバー工法】もあります。

 

【カバー工法】は壁を壊さずに取りつけることができるので、工事も簡単。ただし既存の窓枠の上から新しい窓枠を取りつけるので、窓が一回り小さくなってしまいます。

 

トイレをリフォームする

 

トイレリフォームにはトイレ自体を変える他、トイレの窓を変える等の方法があります。現在トイレの機能はとても進化しているので、ヒートショック対策以外の観点から考えてもオススメです。

 

1. 温水暖房便座に変える

 

座った瞬間ヒヤッ!として縮み上がった経験、ありませんか?トイレのリフォームといえば「温水洗浄便座(暖かい便座+暖かいウォシュレット)」。これはもう鉄則です。

 

「もうとっくに温水暖房便座だし」という方も多いと思いますが、最新のトイレは機能がすごく進化しています。電気代、快適性を考えて新しいものに変えてしまうのも一つの有益な選択肢です。

 

下記に古いタイプ、新しいタイプを比較してみたので参考にしてください。

 

【温水暖房便座がついている古いタイプのトイレ】

 

まさに「忠犬ハチ公」。常に便座を温め、ウオッシュレットのお湯を温め…ご主人様が入ってくるのを待っています。

 

でも1日24時間のうちトイレに入っている時間なんて合計しても数十分程度。ずっと電気を使って温め続けているのってもったいないと思いませんか?

 

【温水暖房便座がついている最新のトイレ】

 

最新のトイレは、便座を常に温めておくのではなく、人を感知して瞬間的に座っている間だけ温めます。またウォッシュレットは瞬間沸とうです。

 

旧来の「貯湯式」のウォッシュレットは、内臓タンクに水を貯め、その水を常にヒーターであたためてお湯にしています。タンクの中の水量には限りがあるので、使いすぎると水切れで焦る。なんてことありませんか?

 

最新のトイレの場合は「瞬間式」といって、内蔵タンクがなく、ウォッシュレットを使う度に水をヒーターで温めてお湯にしています。ですので水切れの心配もありません。

 

貯湯式」の方がトイレ本体の価格が安いので、そちらを選んでしまう方が多いのですが、長い目で見ると「瞬間式」が断然お得でオススメです。

 

他にも最新のトイレは手すりがついている、節水、節電、汚れがつきにくい、掃除がしやすい等々、さまざまな点が進化しています。というか私がものすご〜く惚れ込んでいるトイレがあるので、また別の機会にご紹介したいと思います。

 

2. トイレの窓を変える

 

上記「窓をリフォーム」の項目を再度ご参照ください。

 

お風呂場をリフォームする

 

お風呂はヒートショック以外にも、すべったり、転んだり…大事故が起こりやすい場所。そこらへんも考慮してリフォームを行うとよいと思います。

 

ただお風呂リフォームは複雑。とりあえずこんなことができる、という項目を挙げておきます。リクエストがあれば、これもまた別の回にご説明しますね。

 

<脱衣所>

・壁や床に断熱材を入れる。
・床暖房を入れる。

 

<浴室>

・内蔵型の浴室暖房機をつける。
・床、壁を水はけのよいもの、断熱性の高いものに変える。
・浴槽を機密性の高いユニットバスに変える。
・床を滑りにくいものに変える。
・窓、サッシを変える→「窓リフォーム」の項目参照

 

 

まとめ

 

今回は温度の急変で体がダメージを受ける「ヒートショック」を予防するための対策について、電気屋の視点からお話ししました。

 

いろいろと対策を書きましたが、一番知って欲しかったのはヒートショックが危険であるということ。

 

毎年、ヒートショックで、交通事故の数倍もの人が亡くなっている

 

これとてもショッキングですよね。こんなにも危険なのに、ほとんどの方がその危険性を知らない。それが常々「怖いなぁ」と思っていたんです。

 

しかもこのヒートショック、きちんと対策すればかなりの確率で防ぐことができます。

 

その方法は、①家電で手軽に対策する リフォームで対策する

 

家電での対策は手軽にできるし、リフォームも大掛かりなものばかりではありません。

 

なんども言いますが、ヒートショックは本当に死に直結する危険なものです。まずはしっかりとした知識を身につけ、できる範囲で構いませんので、とくにご高齢者に関しては、すぐに対策をオススメします。

 

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