夏真っ只中、ご自宅のエアコンもフル稼働しているのではありませんか?
今回はリクエストの多かったテーマ、エアコンの中から「エアコンクリーニング業者」についてお話したいと思います。
実は毎年かなりの人が、詐欺まがい(少し強い表現ですが・・・)のエアコンクリーニング業者に“引っかかって”います。そして“引っかかった”ことにすら気づいていないのです。
今回は皆さんに気づいてほしくて記事を書きます。ぜひ最後まで読んでください。
まずは、エアコン掃除がなぜ大切なのか簡単にご説明しておきますね。
内部の汚れが、エアコンの故障を引き起こし、家族の健康を脅かす
夏になると、カデンのエトウの家電レスキューにはエアコンについてのお問い合わせが殺到します。
・異臭がする
・変な音がする
・水が漏れている
ですがエアコンの構造は複雑です。故障にはさまざまな要因が考えられるのですが、、その中でも「エアコン内部の汚れ」は大きな比重を占めています。
たかが汚れ、と侮ってはいけません。
温度、湿度(水分)、栄養(ホコリ)と三拍子揃ったエアコン内部はカビにとって天国のような環境。
定期的な掃除を怠ると、ヘドロのような黒カビが瞬く間に内部を侵食し、あちこちに詰まり(故障を引き起こす)、やがて異臭を放つようになります。
さらに、この黒カビ、健康を害する恐れもあります。
黒カビに汚染されたエアコン内部から吹き出される風を毎日吸い込むとどうなるか…。詳しくは「エアコンのカビが健康を脅かす!今すぐできるカビ対策」をお読みください。
2018.3.19
エアコンのカビが健康を脅かす!今すぐできるカビ対策
フィルター交換や表面的な掃除は自分でもできますが【しっかり奥の方まで】となるとやはり専門業者の手が必要です。できれば1~2年に1度はプロにお願いすることをおすすめします。
その際気をつけなければならないのが、今回のテーマである「業者選び」なのです。
エアコンクリーニングにまともな清掃業者が少ない理由
長期間放っておいたエアコン内部の汚れは半端ではありません。クリーニングには膨大な手間と時間がかかります。
内部のカビを徹底的にきれいにしようと思えば、3時間、4時間とかかるのはざらで、経験上半日かけても終わらないことすらあります。
私たちもエアコンクリーニングをお受けしていますが※、正直儲けはほとんどありません・・・(汗)。
「地域の皆さんの豊かな暮らしのために」という使命感がなければ、とっくにやめていたと思います。実はエアコンのクリーニングってそのくらい大変なのです。
※大変手間がかかるため、繁忙期である夏は基本的にお断りしています。ただし、「汚れが原因で故障した」など緊急を要する場合はお気軽にお電話ください。
エアコンクリー二ングはまともにやればほぼ儲けがない
だからこそ、誠実な仕事を行う業者は「エアコンクリーニング事業」からどんどん手を引いていきました。事業はボランティアではありませんから仕方のないことです。
そして、まっとうな業者が少なくなった代わりに増えたのが“手抜き掃除”で利益を上げる詐欺まがいの業者。
その手法を見ていきましょう。
①時間制限の壁
よくチラシで「格安エアコンクリーニング」をうたっている業者がいます。
依頼すればもちろん掃除を行ってくれますが…。実は【1時間】など、作業時間に制限を設けている場合がほとんどです。どんなに汚れが残っていても規定の時間を過ぎれば帰ってしまうのです。
私から言わせれば、エアコンクリーニングは1時間程度ではほぼ何もできません。ですが一応時間内ではきちんと作業を行っているので、詐欺ではありません。
なぜ“時間制”にしているのか?その仕組み(事業者の頭の中)を覗いてみましょう。
「エアコンクリーニング事業」は “事業”なので売上が必要
ほとんどの事業者が少しでもたくさんの売上を上げたいと思っています。売上から社員のお給料を出したり、生活費を賄ったりしますから当たり前の話ですね。
では、売上を上げるにはどうすればいいのか?
①高い商品を少数でも確実に売る
②安い商品をたくさん売る
このどちらかを達成する必要があります。
時間制限を設けているエアコンクーニング業者は②の安い商品をたくさん売るパターン。
1日の売上を“最大化”しようと思えば、当然1日で行うサービス(エアコンクリーニング)の件数を“最大化”する必要があります。
作業時間を1時間と決めている事業者の頭の中は、「1日8時間働くので、確実に8件分の売上を確保したい!」。だから1時間と決めたら、1時間しか対応しない(できない)のです。
「お客様の快適な暮らしのために、エアコンの汚れをしっかり落とす」ということより「1時間でサービスを提供する」ということが目的になっているので、どんなに汚れが残っていようが、そのまま帰ってしまうんですね。
何度も言いますが、1時間程度の作業ではエアコン内部の汚れはほとんど落とすことができません。下手したら、1時間のうち半分以上は作業準備や片付けに取られてしまうんじゃないでしょうか。
でも最初に1時間とうたっているので、詐欺にはならない。お客様の“無知”を利用した悪どい手口ですよね。
②市販のエアコンクリーナーをかけるだけ
これは最近増えている手口の1つで、この手の対応を行う業者はかなり金額が安いのが特徴です。
どんな方法で掃除をするかというと…市販されている数百円のエアコンクリーナーをぴゅっとエアコンに吹き付けるだけ。
市販のエアコンククリーナーは正直効果が薄いものが多いです。長期間放置した頑固な汚れにはほぼ効かない、といっても過言ではありません。
この手口を使う業者はチラシをまくだけでなく、訪問販売の形態もとっていますので、特にお年寄りには注意が必要です。
この場合も一応作業はしていますから、詐欺とはいえません。問い詰めても「これがうちのやり方」と逃げるでしょう。
自衛するしかないのです。
適当なエアコンクリーニングは故障を招く可能性も!!
エアコンクリーニングは、適当にやってしまうと故障を引き起こす可能性があります。
電気系統に配慮せず洗浄液をかけたり、適当に洗い流した汚水がヘドロ化して内部にたまったり。
ずさんな業者のスタッフは経験が浅い人がほとんどで、何も考えずに本当に“適当に”やってしまうんです。これはプロから見ると非常に危険なこと。
掃除してもらった結果、エアコンが故障するって…ありえないですよね。
エアコンクリーニング、詐欺まがいの業者に引っかからないための対策
・料金が安すぎる場合は要注意
なんども言いますが、エアコン内部の掃除はものすごく大変。
まともな業者はエアコンの汚れを徹底的に落とすことを目的と考え、手間暇惜しまずエアコンを一度分解してまで隅々まできれいにしますから、数千円程度の安価で受けることはほぼないでしょう。
安すぎる金額には“それなりのワケがある”と思ってください。
・作業時間を事前に確認する
「時間制限の壁」を回避する方法です。
事前に「時間制なのか」「時間制であれば、この料金で何時間作業してくれるのか」を確認してください。
1時間程度では、エアコンの汚れはほとんどは落とせない、と思っていいでしょう。
・エアコンクリーニングの業者がいきなり訪問してきてもすぐには依頼しない
「今、エアコンクリーニングのキャンペーンでまわっています〜」といきなり訪問してくる業者もいます。
いいな、と思ってもすぐに依頼せず一旦帰ってもらうようにしましょう。
お年寄りは騙されやすい傾向にあるので、年配のご両親がいるご家庭の場合は注意を促してください。
・作業風景を見せてもらう
これは依頼した後のことですが…。作業風景を見せてもらうようにしましょう。
さすがに依頼主が見ている前で「スプレーを吹きかけて終わり」にはできないと思います。
ちなみに、私たちがエアコンクリーニングをする場合は、依頼主様が嫌がらないかぎり、掃除風景を見てもらうようにしています。
長年お掃除をしてこなかったエアコン内部は、それはもう、目を背けたくなるほど汚いです。それをあえて見てもらうことで、
「今後はきちんと定期的に掃除しよう」
「フィルターもこまめにかえよう」
という気持ちを持ってもらいたいと考えているからです。
まとめ
エアコン掃除の大切さ、自分でできる対策は以前「エアコンのカビが健康を脅かす!今すぐできるカビ対策」でご紹介させていただいた通り。
しかし、エアコン内部は複雑です。いくらこまめにお掃除していても、自分の力だけで完璧にキレイにすることはできません。
年に1度はプロの業者に本格的なクリーニングを依頼することをおすすめしますが、今回はその際、“詐欺まがいの業者に引っかからないための対策”をお話させていただきました。
ものすご〜く簡単に要点をまとめると
「安いエアコンクリーニングにはワケがある、警戒しよう」ですね。
手法、対策をしっかり読んで自衛するようにしましょう。
あ、最後にエアコンクリーニングのプロの立場から一言。
業者に頼りきりになるのではなく、できる範囲で日々のお手入れを自分自身でしっかり行ってください。具体的に言うと、フィルターの掃除や定期的な交換、手がとどく範囲の掃除ですね。
日々の地道な努力が、エアコンの寿命をぐんと延ばしてくれますから。